プレバトの俳句査定が好きで見ていますが、いつも「才能あり」でも殆どが70点で良くて72点。
そんな中、先日の査定で3時のヒロインの福田さんの俳句が75点も出て驚きました。
福田さんの句は前にも良いのがあって、たった17音で心揺さぶる句を作ってくるのですが今回のもそうでした。
冬天(とうてん)よ 母を泣かせて 来る街か
「芸人になる為にお母さんを一人大阪に置いて上京したんですけど、上京後の生活が結構厳しくて、深夜にネタ見せして、朝までネットカフェでちょっとだけ仮眠して、朝起きて・・・
なんかお母さんを置いてまで目指す夢なのかなぁって、ちょっとふと寂しくなったという・・・」
と福田さん。
梅沢さんはこの句を見て「すばらしい。只者じゃないね、この子」と。
「いやぁ~鳥肌が立ちました。読んで場面が全部浮かんでちょっと泣きそうになりました」と森口瑤子さん。
夏井先生からは、
「久しぶりに本物の句がきたな、と。そんな感じでしたね。ほんとに。
『冬天(とうてん)よ』じゃなくて『冬天や』と詠嘆する選択もないことはないんですが、『や』と『よ』の違いは何かって言ったら、『よ』はね、詠嘆して呼びかけると・・・
こういうニュアンスなんですね。
で『母を泣かせて』
母を泣かせる状況がある・・・
一体何だろうと思ったら、これ(来る街か)だけで言ってしまう。
泣かせてまで来る街であるのだろうか?と。
最後の『か』は自嘲もあるし深いため息もあります。
さらに『街』の一字。これはもう一つの『町』がありますね。あれじゃなくてこっちの『街』ですから都会であるというのもこの一文字でわかるわけで、
決して温かくない都会、そして何ひとつ上手くいかない・・・
読み手の心に一気になだれ込んで来るような、そういう作品です。素晴らしいです」
と。
自分には夢もなかったし親元を離れて進学就職しなかったので、この句はどちらかというと親の立場で聞いていました。
長男が進学で県外に引っ越したとき・・・
行きは一緒に行って、帰りは一人電車で長男のことを色々考えながら川沿いの美しい桜の景色を見たことや、
就活が本格的に始まる娘のことなどが浮かんできてしまいました…この句は。
そういうわけで覚書。
それにしても夢に向かって苦労してきた人というのは魅力がありますね。
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