2018年12月15日土曜日
「水仙」で思うことあれこれ。
昨日の朝の番組、「グッド!モーニング」の林修先生の「金曜言葉塾」は「雪中花」についてでした。
雪中花とは水仙のことだそうです。
言葉塾の後半、太宰治の「水仙」という小説の話で締めくくったのですが、それで昨日は一日「水仙」のことを考えることに・・・(今日まで続いてます)
主人公はなぜ静子夫人の描いた水仙の絵を破ってしまったと思いますか?と林先生が質問し、女子アナの方々がそれぞれの考えを話しました。
それを聞きながら、それでは林先生はどう思ったのかな?と思って見ていたら「言わない」と言うではありませんか。
そして、それは太宰治も書いていないって。
水仙の絵は、断じて、つまらない絵ではなかった。美事だった。なぜそれを僕が引き裂いたのか。それは読者の推量にまかせる。
と。(↑コピペ)
この小説、読んだこともないし、林先生の言葉塾も洗濯物を干しながら所々聞き落としていたのでよくわからなかったのに、その一節は何故か胸に刺さりました。
で、昨日のテニスとランチの後に家に帰ってからネットで調べていたら、青空文庫にあったので読んでみたのです。
太宰治の「水仙」を。
その最後の部分のコピペです。
↓
僕はその絵を、さらにこまかに引き裂いて、ストーヴにくべた。僕には、絵がわかるつもりだ。草田氏にさえ、教える事が出来るくらいに、わかるつもりだ。水仙の絵は、断じて、つまらない絵ではなかった。美事だった。なぜそれを僕が引き裂いたのか。それは読者の推量にまかせる。静子夫人は、草田氏の手許に引きとられ、そのとしの暮に自殺した。僕の不安は増大する一方である。なんだか天才の絵のようだ。おのずから忠直卿の物語など思い出され、或ある夜ふと、忠直卿も事実素晴らしい剣術の達人だったのではあるまいかと、奇妙な疑念にさえとらわれて、このごろは夜も眠られぬくらいに不安である。二十世紀にも、芸術の天才が生きているのかも知れぬ。
短い話だったのであっという間に読めました。
私には芸術系の方面に進もうとしている娘がいること。
その娘が、少し前、自信のあった作品を全く評価されず涙して帰ってきたこと。
林先生の言葉塾の最後の水仙の一節が妙に刺さった理由が、全部読んでみて少しわかった気がします。
この美事な絵が「水仙」というのも意味があるのかもしれません。
娘が読んだらどう思うのか?興味があります。
ところで、「水仙」についてですが、小学生のころに水耕栽培したためか、元々そんなにいい印象がなかった花でした。
ガラス瓶で水だけで育てたせいか、人工的な花というイメージができてしまったのです。
それが、20代のころ読んだ本で印象が全く変わった覚えがあります。
当時、立原正秋さんの小説を読んでからですが、どの小説に書かれていたんだったかな?
立原さんの小説は恋愛の話が多く、自分が経験したことのない背景描写に魅かれて読み漁っていました。
その中で花を生けるシーンが何度かあり、水仙を生けてある描写が美しく忘れられない。
だから、それ以降、水仙が好きになったし自分でも生けるようになりました。
立原さんの小説の影響で習い事が嫌いだった私が、生花や陶芸を少し習ったりして。
奈良の唐招提寺も出張ついでに一人で行ってきました。
小説の主人公になった気分で・・・
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